原田知世 14 … 「彼ソネ」以来のフレンチとの再会【Silvy】


Review

前作「太陽になりたい」から2年ぶりとなった14作目のシングル。
特に主だった告知などなく、唐突にリリースされた記憶がある。

サウンドは前々作「彼と彼女のソネット」のようなフレンチ風味のポップスなのだが、いかんせんかなりマニアな曲なので、正直売れる要素の全くない「趣味に突っ走った」シングルともいえよう。

6小節という中途半端な長さの曲の出だしのコードが全てBm7。これが「この先に何かあるぞ」的な不穏な空気がムンムン。そしていきなり「F」に転調するという、TKも真っ青な大胆過ぎる仕掛けのビックリ。

歌メロは、16分音符のシンコペーション攻めといい、サビの「silvy silvy silvy」の16分と8分音符がタッカタ、タッカタ走るフレーズといい、かなり符割りが細かいもの。歌いこなすにはそれなりの技量が必要 … って歌うなよ。

一方で歌詞に注目すると、「c'est moi(私よ)」「c'est toi(それはあなたです)」「c'est Bon(それは良いことです)」といった、多分フランス語を学ぶ上で一番最初に学習する単元の初歩的であろう単語がサビにおいて引用されているが、あくまでも曲の雰囲気に添ってポンと置いた程度で、特別に意味はないと思う。
ちなみに「Silvy」とはおそらく人名、それも女性の名前だと思うのだが、何を隠そう、今の今まで英語で「バカ、愚か」の意味だと思っていた俺がバカで愚か(sillyと勘違いしてた)

そして、この曲の最大の「肝」の部分が、アウトロにていきなりテンポアップする「モダンジャズ」調の旋律が展開されるところ。特にジャズ特有の「唸りまくるウッドベース」の音色がこれでもかというほど動き回って主張してくるのは圧巻で爽快。
ちなみにこのサウンドを当時の最新の音でガッチガチに固めたのが、明菜様のかの名曲「TATTOO」になるわけで。


Chart

レコードセールスはO社最高54位、売上は1万枚にも満たないという何とも淋しい結果に。
告知もほとんどなく、大衆受けする楽曲ではないので、当然といえばそれまで。

ベストテンは放送終了後なのでランクインはなし。



Memories

この曲が発売された平成2年は俗に言う「アイドル冬の超氷河期」に当たる。
昭和から続いてきた歌謡番組が軒並み幕を下ろし、今までのアイドルサクセスストーリーへの方法論が全く通用しなくなった時代、ごく一部のトップを除いて80年代に活躍した元アイドル達が、次へ進むべき道を必死に模索していた頃になる。てっきり歌とは訣別したかのように見えた知世嬢がまさかのシングルリリース。蓋を開けてみれば俺が大好きな「彼ソネ」以来のフレンチとくれば喰らいつかない方が無理というもの。ただ、当時の俺に一つ聞きたいことがある。いったいこの曲のリリース情報をどこから得たのかを。本当、全く思い出せない。

それにしてもまさか、ここから「O社アルバムチャートトップテン返り咲きランクイン」という超ウルトラCが待ち構えているなんて、当時いったい誰が予想できただろう。

俺にとっては歌い手としての知世嬢に興味を持ったのはこの曲までだが、現在でも懐メロに囚われずに定期的に新作をリリースできる歌い手までになる。



Silvy/原田知世
B面:夢迷賦
発売日:1990年2月21日
発売元:フォーライフ

<O社>
・最高位:54位
・売上:9,170枚

<ザ・ベストテン>
・放送終了後の楽曲のためランクインなし。

※関連動画はこちらから。






Score

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14_silvy_score

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