ヨーロピアン路線の集大成ともいうべき大名曲。荘厳、厳粛、クラシカル、デカダンス … まるで粛々と重苦しく進む葬列の如く淡々と進むバックサウンドに、河合その子の熱唱が響く。よくもまあ、決して大衆受けするとはいい難いタイプの曲をシングルに切ったと思うが、この英断は素直に称賛すべき。

オーケストレーションの楽器を主体に、ヨーロッパの午睡のように響くアコーディオンに被る歌メロとして選んだ楽器は、現単体のバイオリン。サビにおいては、歌メロの被るように薄く鳴るチェンバロ(ハープシコード)や、ストリングスのバトル。その他、アクセント的に曲を締める歪んだディストーションギターやティンパニなど、実に多彩な楽器が使用されている。そんな中でもやはり重要なパートは弦、すなわりストリングスのバトルであり、ここを忠実に再現しなければ楽曲として成立しない、という強い一心で必死に音を組み立てた。

そしてこの曲の最大の特徴といえば、イントロとアウトロ、及びAメロにおける「歌メロが『平』に対してバックのリズムはシャッフルする」という点である。ドラムもかなり変則的なもので、一般に良く使われるハイハットは「アクセント的に挿入」という限定的なもので使用され、その代わりに♪タン、タタタタン~というあの水戸黄門のオープニングのフレーズまんまのリズムが全体に被さっていて、これがハイハットの役割を兼ねていると言えなくもない。

出来栄え:★★★★★★★★★★(満点)

まるでフランス人形のような御姿。

Data
O社

  • B面:赤道を越えたサマセットモーム
  • 発売日:1987年6月17日
  • 初週売上:32,770枚
  • 累積売上:78,070枚
  • 最高位:3位

ザ・ベストテン

  • 1987年07月02日 07位 6,933点
  • 1987年07月09日 11位 5,597点
  • 1987年07月16日 16位 4,362点

前作に引き続き最高3位。絶対的な売上枚数の減少という理由もあるが、セールスの減少としては前作よりも幾分改善されている。

その証拠にベストテンでは、前作同様に初登場7位ながらも、久々に7,000点に迫る得点を獲得した。翌週には11位に下がるも、獲得得点を見れば、運が良ければベストテンにランクインできる得点である。

ちなみにO社もベストテンも、この曲が最後のベストテンヒットとなった。

またこの曲、おニャン子全盛期では決してあり得なかった『新田恵利の「サーカス・ロマンス」と同日発売』という同門対決でもあった。おニャン子陣営がチャートに拘らなくなった何よりの証拠だろう。

それにしてもこの頃のその子さん、やけに病的な激痩せの姿が痛々しかったが、その子さんに何かあったのだろうか?

「猫耳」がまた独特なセンスですね …